2012年07月

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 中南部ぬ城(ぐしく)ぬ城壁(いしがち)や、いいくる琉球石灰岩(るうちゅうしっくぁいぐぁん)ぬる使(ちか)あらっとおしが、今帰仁城(なちじんぐしく)とぅか阿須森(あすむい)ぬあまくまんかいある石垣(何ぬ跡がやら)え、いいくる玄武岩なとおん。
 石垣(いしがち)ぬ積(ち)みいぬ一番古(ふる)さるしい様や、「野面積み」やんでぃぬ事(くとぅ)やしが、玄武岩や固(くふぁ)さぬ加工(せえく)ぬしい難(ぐり)さくとぅ、「相方積み」ん「布積み」んならん。外壁や後々(あとぅあとぅ)んじ造(ちゅく)い足(た)れえてるむぬがやら、布(ぬぬ)ぬ如(ぐとぅ)し、曲がいぢゅらく積(ち)まっとおしえ、首里城(うぐしく)んでえぬ中南部ぬ城とぅ同(い)ぬむんなとおん。
 城ぬ造い様や世(ゆう)にゆてぃ違ゆしが、石故(いしゆい)にん違ゆるむぬがあやら…。

【語句】
中南部ぬ城ぬ城壁や=中南部の城の城壁は。「城」は口語では多くは、「ぐしく」だが、「ぐすく」という一部の地域語?が「文献用語」として使用されていることもあって、後者の方が主になっているきらいがある。
いいくる=おおむね、
琉球石灰岩ぬる使あらっとおしが=琉球石灰岩こそが使用されているのであるが。「ぬる」の「る」は強調を表わす助詞「どぅ」の清音。「ぬどぅ」は言いにくいので「ぬる」になったと思われる。
今帰仁城とぅか阿須森ぬあまくまんかいある=今帰仁城や阿須森のあちこちにある
石垣(何ぬ跡がやら)え=石垣(何の跡なのだろうか)は
いいくる玄武岩なとおん=おおむね玄武岩となっている。
石垣ぬ積みいぬ=石垣の積みの
一番古さるしい様や=一番古いやり方は、
「野面積み」やんでぃぬ事やしが=「野面積み」であるとのことだが、
玄武岩や固さぬ加工ぬしい難さくとぅ=玄武岩は固くて、加工しづらいので、
「相方積み」ん「布積み」んならん=「相方積み」も「布積み」もできない。城門がアーチ状になっている中南部の城の造りは、玄武岩で造るには困難と思われる。
外壁や後々んじ造い足れえてるむぬがやら=外壁は後々に追加工事したものなのか、
布ぬ如し=布のように、
曲がいぢゅらく積まっとおしえ=美しい曲線状に積まれているのは(意訳)。曲がり美しく積まれているのは(直訳)。外壁が曲線状になているのは、本土の城にはない特徴である。
首里城んでえぬ=首里城などの。三山統一後も護佐丸や阿麻和利の「乱」や越来城討伐などを経て、最終的には首里城しか無かったために、「御城(うぐしく)」といえば、首里城のことであった。
中南部ぬ城とぅ同ぬむんなとおん=中南部の城と同じになっている(直訳)。最近まで「同ぬやん(同じである)」を文章語として使っていたが、例文のような慣用的な言い回し(なとおん語)をも使用しています。「同(い)ぬむん」は首里語でも私の地方語でも同じ「いぬむん」であるが、「ゆぬむん」も多く使われています。
城ぬ造い様や世にゆてぃ違ゆしが=城の建造法は時代によって異なるが、
石故にん違ゆるむぬがやら…=石材によっても異なるのだろうか…。

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 ♪赤い蘇鉄ぬ実も熟れる頃、加那も年頃♪んでぃち、歌謡曲「島育ち」なかい、歌(うた)あらっとおる蘇鉄(すてぃち)やしが、うぬぶくいや恐(うとぅ)るしむんやん。
沖縄奄美(うちなああまみ)んかいや蘇鉄ぬまんどおん。肥(くぇえ)や入りらんてぃん、なんくる育(すだ)ちゅん。
ぶくいや毒取(どぅくとぅ)いねえ、食(か)まりいしが、体(からた)んかい毒ぬ溜(た)まてぃ、体んかい、ありくりぬ障(さわ)いぬあん。
毒取らんようい、食みねえ、たでえまなかい、けえ死(し)ぬん。
戦前(いくさめえ)ぬ沖縄とぅか奄美んじえ、がしないねえ、蘇鉄ぶくい採(とぅ)てぃ食でぃ、いいくる死ぬる人(ちゅ)ぬ居(をぅ)やあに、「蘇鉄地獄(すてぃちじぐく)」んでぃ言ゃったん。

【語句】
赤い蘇鉄ぬ実も熟れる頃、加那も年頃んでぃち=赤い蘇鉄の実も熟れる頃、と歌謡曲「島育ち」
なかい歌あらっとおる蘇鉄やしが=で歌われている蘇鉄だが。「んかい歌あらっとおる」でもよい。その場合の訳は「に歌われた」となる。「なかい」は「中で」とか「~で(手段を表わす助詞)」という意味があり、「~んかい」は単に場所を示す。「蘇鉄」は「すてぃち」とも「すうてぃちい」ともいう。
うぬぶくいや=その芯は
恐るしむんやん=恐ろしいものである。「恐ろしむん」はシク活用形容詞の場合の連体修飾用法。「恐るさる むぬ」という連体形よりは慣用的に多用されている。「恐るしいむん」は具体的な物に対して言い、「恐るし~」は概念的な表現となる。
沖縄奄美んかいや蘇鉄ぬまんどおん=沖縄奄美には蘇鉄が多い。
肥や入りらんてぃん=肥料は加えなくても、
なんくる育ちゅん=自ら育つ。
ぶくいや毒取いねえ=芯は毒を取れば。毒は、私的経験では、幾度も水で洗って流す。だが完全ではないため、毒が少しづく身体に溜まり、筋萎縮や硬化症、痴呆などの障害が生じるといわれている。
食まりいしが=食べられるが、
体んかい毒ぬ溜まてぃ=身体に毒が蓄積されると、
体んかい、ありくりぬ障いぬあん=身体のいろんな場所で、障害を生じさせる(意訳)。
毒取らんようい、食みねえ=毒を抜かずに食べれば、
たでえまなかい、けえ死ぬん=たちまち死んでしまう。「けえ」は「~してしまう」の意味の副詞で、動詞などの前に付く。「死ぬん」は人の死にはあまり使わないが、ここでは文脈上、事故死的な意味合いがあるので、「亡あすん」より「死ぬん」の方が相応しい。通常の人の死は「まあすん」という。
戦前ぬ沖縄とぅか奄美んじえ=戦前の沖縄や奄美では、
がしないねえ=飢饉になれば。「がし」は日本語の「餓死」から「飢饉」の意に転用された語。
蘇鉄ぶくい採てぃ食でぃ=蘇鉄の実の芯を採って食べ、
いいくる死ぬる人ぬ居やあに=よく死ぬ人がいて、
「蘇鉄地獄」んでぃ言ゃったん=「蘇鉄地獄」と言われた。

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