2012年09月

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昔(んかし)え竹富(だきどぅん)島あ八重山(いぇえま)ぬ中心(なかじん)なてぃ、琉球国(るうちゅうくく)ぬ出先機関やたる蔵元(くらむとぅ)ん竹富島んかいどぅあたる。
 竹富が今(なま)ん竹富町(竹富、黒島、波照間、小浜、西表、鳩間んでえ)ぬ中心なとおしえ、うぬ名残(なぐ)いやん。
 木(きい)ぬ生(み)いまんどおる所(とぅくる)お屋敷跡(やしちあとぅ)なてぃ、写真からあ見(ん)んじい難(ぐり)さしが、石垣(いしがち)ぬ積(ち)まっとおん。
 うんにいや、ただぬ開墾地やたる石垣島(いしがちじま)ん、いいくる西表(いりむてぃ)とお同(い)ぬむん、ヤキイ所(どぅくる)なあやい、人(ちゅ)ん住(す)でえ居(をぅ)らんたしが、次第(しでえ)に、人口(ちゅ)ん増(うわ)あち、栄(さけ)えてぃちゃれえ、蔵元ん石垣島んか移(うちゅ)たんでぃぬ事(くとぅ)やん。


【語句】
昔え竹富島あ=昔は竹富島は、
八重山ぬ中心なてぃ=八重山の中心をなし。「なてぃ」は「なやい」、「なやあに」、「なやあま」でもよい。
琉球国ぬ出先機関やたる蔵元ん=琉球国の出先機関であった蔵元も。「蔵元」は王府の行政役所。主には上納物を徴収して、首里に送る迄、保管する場所でもあったことからその名が付いた。
竹富島んかいどぅあたる=竹富島にあったのである。「どぅ」は前語を強調する助詞で、次にくる用言「あたん」は連体形「あたる」で結ぶ。
竹富が今ん竹富町ぬ中心なとおしえ=竹富が今も竹富町の中心になっているのは、
うぬ名残いやん=その名残りである。
木ぬ生いまんどおる所お屋敷跡なてぃ=木が生い茂っている所は屋敷跡になっていて。「生いまんどおん」は、直訳は「生え多い」であるが、ここでは「生い茂る」と訳する。
写真からあ見んじい難さしが=写真からは見えにくいが、
石垣ぬ積まっとおん=石垣が積まれている。
うんにいや=当時は。沖縄語には「うんにい」しかないが、与論語には、「あんにい」、「かんにい」の語もある。
ただぬ開墾地やたる石垣島ん=単に開墾地にすぎなかった石垣島も
いいくる西表とお同ぬむん=概ね、西表と同じく、
ヤキイ所なあやい=マラリア地帯(マラリヤの多いところ)であり。「ヤキイ」は「マラリア」。「~所」は「~」が「多い所」と意味。この文では「地帯」と訳する。「風所」は「風の多いところ」。
人ん住でえ居らんたしが=人も住んでいなかったのだが、
次第に人口ん増あち=次第に人口も増え、
次栄えてぃちゃれえ=発展してきたら、
蔵元ん石垣島んか移たんでぃぬ事やん=蔵元も石垣島に移転したとのことだ。

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 戦(いくさ)ぬばす、敵艦(てぃちくぁん)、敵機(てっち)ゆ監視(くぁんし)すぬ為(たみ)ぬ施設(ししち)。あまくま、弾なかい射(い)りくじらったる跡(あとぅ)ぬ見(み)ゆしが、うんにいぬまま残(ぬく)さっとおん。
 米(アミリカ)ぬ艦隊ぬ50万人余(あま)いぬ大軍乗(うふいくさぬ)してぃ、沖縄中囲(うちなあじゅうかく)どおたる様子(ゆうし)え、くまから眺(ながみ)いねえ、いやでぃん、恐(うとぅ)るしむんやたる筈(はじ)。
 1M余いぬ草なかいうすらってぃ、写真撮(ぬ)じゅるばすお、うさうまさ、蚊(がじゃん)ぬまちゃあち、面(ちら)から胴(どぅう)いっぺえ、しがらってぃ、ふしがらな、長居(ながいい)やならんたん。
 くまんかい来(ち)ゅうる道ん、さぼうるがなさぼうらさってぃ、ハブぬしわぬあたくとぅ、草あ足(ふぃさ)し、左右(ふぃざいにじり)んかい、強々(ちゅうじゅう)とぅ、くだみ倒(とお)しがちいなあ歩(あ)っちゃん。

【語句】
戦ぬばす=戦時中、 直訳は、「戦争のとき」
敵艦、敵機ゆ監視すぬ為ぬ施設=敵艦、敵機を監視するための施設。
あまくま、弾なかい射りくじらったる跡ぬ=あちこち、弾を打ち込まれた跡が
見ゆしが=見えるが
うんにいぬまま残さっとおん=当時のまま残されている。
米ぬ艦隊ぬ50万人余いぬ=アメリカ艦隊が50万人余の
大軍乗してぃ=大軍を乗せて うちなあぐちでは、軍隊も戦争も「いくさ」という。
沖縄中囲どおたる様子え=沖縄中を取り囲んでいる様子は
くまから見じいねえ=ここから眺めれば、
いやでぃん、恐るしむんやたる筈=さぞかし、恐ろしいものだったかもしれない。
1M余いぬ草なかいうすらってぃ=1M以上の草に覆われ
写真撮じゅるばすお=写真を写すときは
うさうまさ、蚊ぬまちゃあち=ひどく、蚊が飛び交い、
面から胴いっぺえ、しがらってぃ=顔から、身体中、縋られ、
ふしがらな、長居やならんたん=どうしようもなく、長居はできなかった。
くまんかい来ゅうる道ん=ここまで来る道も
さぼうるがなさぼうらさってぃ=荒れ放題になっており、 直訳は「荒れるだけ荒れさせられて」
ハブぬしわぬあたくとぅ=ハブの心配もあったので、
草あ足し、=草は、足で、 「足し」は「足なかい」ともいう。
左右んかい、強々とぅ、くだみ倒しがちいなあ歩っちゃん=左右に、強く、踏み倒しながら歩いた。「倒しがちいなあ」は「倒さがなあ」ともいう。日本語訳は共に「倒しながら、倒しつつ」。

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