2012年12月

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 今帰仁(なちじん)ぬ仲原馬場ぬ並松(なんまち)え、響(とぅゆ)まり強(づう)さくとぅ、うったてぃ、いふぇえ、カメラあ右(にじり)んかい向(ん)きたん。
 あんしいねえ、市民(ちゅんちゃあ)ぬ暮らしん見(み)いゆん。
 我生(わあん)まりジマんかいん、だてんぬ松原(まあちもう)ぬあたしが、今(なま)あ一本(いっぷ)ぬんちょおん無(ね)えらんなとおん。
 戦前(いくさめえ)や並松えまあにんあたんでぃぬ事(くとぅ)やしが、いいくる戦争(いくさ)ぬばすぬ砲弾なかい無(ね)えらんなさったん。
 残(ぬく)とおたる並松とぅか松原(まあちもう)ん、戦後(いくさあとぅ)ぬ整備事業(ぎれえ、ぶしんぐとぅ)ぬんでえぬ為(たみ)なかい、切り捨てぃらってぃ、よねえ、見(ん)だらんなとおん。
 原山勝負(はるやますうぶ)ぬ一(てぃい)ちとぅさあに、馬走(んまは)らしん行(うく)なあさっとおたんでぃ言(ゆ)る事ん、生まりジマんかいあたる事とぅ同(い)ぬむんやん。
【語句】
今帰仁ぬ仲原馬場ぬ並松え=今帰仁村の仲原馬場の松並木は、
響まり強さくとぅ=有名すぎるので。「響(とぅ)まりゆん」は「有名である」。
うったてぃ、いふぇえ=わざと、少し。「うったてぃ」は「わざと」。
カメラあ右んかい向きたん=カメラは右にずらした。
あんしいねえ、市民ぬ暮らしん見いゆん=そしたら、市民の生活も見える。
我生まりジマんかいん=私の故郷にも
だてんぬ松原ぬあたしが=大きな松林があったが。「もう(原、原野)」には「毛」を当てることもある。
今あ一本ぬんちょおん無えらんなとおん=今は一本すらない
戦前や並松えまあにん=戦前は松並木はどこにでも
あたんでぃぬ事やしが=あったとのこだが、
いいくる戦争ぬばすぬ砲弾なかい=殆どは戦争中の砲弾で
無えらんなさったん=滅ぼされた。
残とおたる並松とぅか松原ん=残っていた松並木や松林も
戦後ぬ整備事業ぬんでえぬ為なかい=戦後の整備事業によって。「ぎれえゆん(造営工事をする)」は殆ど使わなくなったと思われるが、江戸時代に入ったと思われる「普請(ぶしん)」は今も使用される。
切り捨てぃらってぃ、よねえ、見だらんなとおん=切り捨てられ、殆ど見られなくなった。
原山勝負ぬ一ちとぅさあに=農事品評会行事(?意訳)の一環として。「原山勝負」は王府による農業振興策(奨励)の一つで、村同士で耕作状態、農産物の品評を競い合わせた行事。『沖縄語辞典』には「harusuubu(原勝負)」とあるが、「原山勝負」の事であろう。
馬走らしん行なあさっとおたんでぃ言る事ん=馬競争が行なわれたという事についても。「馬走らし(馬競争)」は『沖縄語辞典』には載ってない。
生まりジマんかいあたる事とぅ同ぬむんやん=わが故郷にあったそれと同じである。「同ぬむん」は「ゆぬむん」という地域もある。*わが故郷(うるま市与那城)には「馬走らし」という場所名だけが残り、今は住宅地である。

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 阿旦(あだん、あだに)や祭温ぬ植林政策にゆてぃ、防潮林とぅさあに海端(うみばた)んかい植(ゐ)いらったる為(たみ)、今(なま)ちきてぃ、海端んかいまんどおるむぬやしが、山奥(やまうく)、村ぬ中(なあか)んかいんあん。
 阿旦や常緑潅木(丈低《たきひく》うぬ木(《きい》)やんでぃちさってぃ、確かに海端ぬむぬぬ丈(たき)え低(ひく)さん。
 やしが、山奥ぬ阿旦や、周(まあ)いんかい木んまんどおくとぅ、強風(ちゅうかじ)ぬしわん無(ね)えらんあい、また太陽(でぃいだ)んかい当たい欲(ぶ)さそおる為(たみ)がやら、丈ぬ高(たか)さぬ二階家(にいけえやあ)ぐれえぬ丈やあん。
 阿旦根子(あだにし)ぬ繊維や、でえじな強さくとぅ、うりし作(ちゅく)ゆる白縄(しるなあ)や、あいゆかん頑丈(がんじゅう)さん。

【語句】
阿旦や=アダンは。アダニともいう。
祭温ぬ植林政策にゆてぃ=祭温の植林政策によって。祭温は琉球国尚敬王時代の宰相。
防潮林とぅさあに=防潮林として。「さあに」は「さあい」、「し」でもよい。
海端んかい植いらったる為=海岸に植林されたことにより
今ちきてぃ=いまだに
海端かいまんどおるむぬやしが=海岸に多くあるが
山奥、村ぬ中んかいんあん=山奥や里にもある。
阿旦や常緑潅木(丈低うぬ木やんでぃちさってぃ=阿旦は常緑潅木(低木)とされ、
確かに海端ぬむぬぬ丈え低さん=確かに海岸のそれは低い。
やしが、山奥ぬ阿旦や=だが、山奥の阿旦は、
周いんかい木んまんどおくとぅ=周りに御木が多く、
強風ぬしわん無えらんあい=強風の心配もないし、
また太陽んかい当たい欲さそおる為がやら=また、日に当たりたい為なのだろうか、
丈ぬ高さぬ二階家ぐれえぬ丈やあん=丈が高く、2階建ての家Mほどの高さはある。
阿旦根子(あだにし)ぬ繊維や=アダンの根の繊維は。「根子(にし)」は筆者の当て字なので要注意。
でえじな強さくとぅ=非常に強く、
うりし作ゆる白縄や=それで作る白い縄は、
あいゆかん頑丈さん=とても丈夫である。

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