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 南部(しまじり)え黍所(ううじどぅくる)。
 山原(やんばる)んじえなんぞお見(み)いらん。かわてぃ八重瀬町・糸満(いぇえじ・いとぅまん)まんぐらあ黍畑(ううじばたき)ぬまんどおん。
 なあやがてぃ、黍倒(ううじとお)しん始(はじ)らんでぃそおん。
 政府(しいふ)ぬ買(こう)い取(とぅ)ゆる為(たみ)なかいうぬ黍作(ううじづく)いやなとおん。
 やしが、数年前からあ小規模生産(いきらどぅくる)お買い取(とぅ)いさんでぃぬ方針(ちわみぐとぅ)ぬなやあにがやら、ビニールハウスぬわあちいちょおんねえそおん。うん如(ぐとぅう)うし、作いむずくいや、政府ぬ方針次第(かんげえしでえ)し、如何(ちゃあ)にんけえ変わゆん。
 TPPぬないねえ、黍ん如何(ちゃあ)がないらあ分(わ)からん。
 アミリカ世(ゆう)んじ、値安(でえやし)いカルフォニア米(めえ)ぬ入(い)っち、ちゃあに、沖縄(うちなあ)ぬかあま昔(んかし)からぬ田園風景(たあぶっくぁちいち)がいっそうから無(ね)えらんなたんねえし、黍畑風景ん無えらんないがすら…。

【語句】
南部え黍所=南部はサトウキビどころである。
山原んじえなんぞお見いらん=北部ではあまりみられない。
かわてぃ八重瀬町・糸満まんぐらあ黍畑ぬまんどおん=とりわけ、八重瀬・糸満あたりはサトウキビ畑が多い。
なあやがてぃ、黍倒しん始らんでぃそおん=もうやがて、サトウキビの収穫が始まろうとしている。「ううじ倒し」は「黍の収穫」という意味の慣用的な言い方。『沖縄語辞典』にはない。
政府ぬ買い取ゆる為なかい=政府による買い取り制のために、
うぬ黍作いやなとおん=そのサトウキビ生産は成り立っている。
やしが、数年前からあ小規模生産お=だが、数年前からは小規模生産は、
買い取いさんでぃぬ方針ぬなやあにがやら=買取はしないという方針になったためなのか、
ビニールハウスぬわあちいちょおんねえそおん=ビニールハウスが増えた感がある。
うん如うし、作いむずくいや=そのように、農業生産は、
政府ぬ方針次第し、如何にんけえ変わゆん=政府の方針次第でどのようにも変わってしまう。
TPPぬないねえ=TPPが成立すれば、
黍ん如何がないらあ分からん=サトウキビもどうなるかわからない。
アミリカ世んじ=米軍占領時代に、
値安いカルフォニア米ぬ入っち、ちゃあに=安いカルフォニア米が流入してきたために、
沖縄ぬかあま昔からぬ田園風景が=沖縄の昔からの田園風景が、
いっそうから無えらんなたんねえし=かたっぱしから消えたように
黍畑風景ん無えらんないがすら…=黍畑風景もなくなるのであろうか…。