2017年12月

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 田芋(たあんむ)お、今(なま)あ春植(はるゐ)いん、夏植(なちゐ)いんあしが、正月(しょうぐぁち)使(じけ)えとぅしち、今頃(なまぐる)、掘(ふ)ゆしえ冬植(ふゆゐ)いやん。
沖縄(うちなあ)んじえ正月活計(くゎっちい)とぅしちぬぬ田芋お、無(ね)えらんでえならんむんやん。
 ごうるまあ切(ち)りし、油(あんだ)焼(や)ちいんまあさい、煮(に)ちから練(に)いてぃんまあさん。
 砂糖(さあたあ)や入(い)りらんてぃん、十分(じゅうぶん)甘(あま)さしが、田芋練(たあんむにい)ぬばあや砂糖入りゆるばあんあん。
 田(たあ)ぬまんどおたる戦前(いくさめえ)迄(まで)え、田芋おまあんじん、作(つく)らっとおたしが、今あ金武(ちん)町とぅ宜野湾(じのおん)ぬどぅ田芋所(たあんむどぅくる)なとおる。
 田ぶっくゎかたくじら沖縄ぬ田園(たはた)とぅしち上地(じょうち)やたる所(とぅくる)お、いいくる米軍(あみりかあ)なかいけえ取(とぅ)らってぃ景色(ちいち)ぬあい変(か)わゆるか無(ね)えらんなとおしが、沖縄人(うちなあんちゅ)ぬ田芋ましする限(かじ)り、田芋田(たあんむだあ)ぬ無(ね)えらんないる事(くと)お無えん筈(はじ)んでぃ思(うむ)ゆん。

【語句】
田芋お、今あ春植いん、夏植いんあしが=田芋(水芋)は現在は春植えも夏植えもあるが、 註:金武では「たあむ」または「たあまあむ」。
正月使えとぅしち、今頃、掘ゆしえ冬植いやん=正月(新正、旧正)用として収穫されるのは冬植えである。
沖縄んじえ正月活計とぅしちぬぬ田芋お=沖縄ではおせち料理としての田芋は
無えらんでえならんむんやん=欠かす事のできないものである。
ごうるまあ切りし、油焼ちいんまあさい=輪切りにして、油で焼いても美味しいし、
煮ちから練いてぃんまあさん=煮てから、練りものにしても美味しい。
砂糖や入りらんてぃん、十分甘さしが=砂糖は入れなくても、十分に甘いが、
田芋練ぬばあや砂糖入りゆるばあんあん=練りものにするときは、砂糖を入れることもある。
田ぬまんどおたる戦前迄え=田が多かった戦前までは、
田芋おまあんじん、作らっとおたしが=田芋はどこでも作られていたが、
今あ金武町とぅ宜野湾ぬどぅ田芋所なとおる=今は金武町と宜野湾だけが(主な)産地である。
田ぶっくゎかたくじら沖縄ぬ田園とぅしち=豊かな田んぼはじめ、沖縄の田園として
上地やたる所お、いいくる米軍なかいけえ取らってぃ=上等だった所は米軍に収用されてしまい、
景色ぬあい変わゆるか無えらんなとおしが=風景が一変するほど消失してしまったが、
沖縄人ぬ田芋ましする限り、田芋田ぬ無えらんないる事お='沖縄人が田芋を好む限り、田芋田が無くなる事は、
無えん筈んでぃ思ゆん=ないだろうと思う。

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 平生(ふぃいじい)や山原(やんばる)んかい行(い)ちゅるばあや自動車道とうか58号線、通たいどぅそおくとぅ、くぬ道(みち)通ゆる事(くと)お、なんぞお無(ね)えん。
 地(じい)ん人(ちゅ)のお何(ぬう)んあらん筈(はじ)ぬ景色(ちいち)ん中頭(なかぐみ)・島尻方(しまじりほう)から来(ち)ゅうる人(ちゅ)にとぅてえ、ゐいきりさるばあぬあん。
 道端(みちばた)ぬディグぬ枝形(ゆだかたち)ん美(ちゅ)らむんやしが、うぬ彼方(あがた)んかい拡(ふぃる)がとおる畑原(はるもう)ん、平原(とうばる)ぬん、うぬまたなあふぃん彼方ぬ山々(やまやま)ぬ形んゐいきりきさん。
 平原ぬ中(なか)むてぃいんかい赤瓦家(あかがあらやあ)ぬあしん、実(じゅん)に沖縄(うちなあ)らあさる風景(ちいち)なちょおん。
 車(くる)歩(あ)っかさがなあ、あまくま目(みい)ぐる回(まあ)いしねえ、うかあさあ、あしが、まるけえてえ、ゐいきり所(どぅくる)びけえのお、あらんようい、車淀(ゆどぅ)みてぃ普通(ふつう)ぬ景色眺(なが)みゆる肝(ちむ)ぬゆちみんありわるやるんでぃ思(うむ)たるしいじやん。

【語句】
平生や山原んかい行ちゅるばあや=ふだんは、北部にいくときは、
自動車道とぅか58号線、通たいどぅそおくとぅ=自動車道や58号線を通っているので、
くぬ道通ゆる事、なんぞお無えん=この道路を通ることはあまりない。
地ん人のお何んあらん筈ぬ景色ん=地元人には何の変哲もない風景でも
中頭・島尻方から来ゅうる人にとぅてえ=中頭・島尻方面から来る人にとっては、 註:「島尻方」は今の「島尻郡」の相当する行政区の呼び名であるが、ここでは「島尻方面」とう意味で使う。
ゐいきりさるばあぬあん=面白い場合もある。
道端ぬディグぬ枝形ん美らむんやしが=道端のデイゴの枝の形も美しいが、
うぬ彼方んかい拡がとおる畑原ん、平原ぬん=その向うに広がる畑や野原も平原も
うぬまたなあふぃん彼方ぬ山々ぬ形んゐいきりきさん=さらに彼方の山々の形も面白い。
平原ぬ中むてぃいんかい赤瓦家ぬあしん=平原の中ほどに赤瓦の家があるのも、
実に沖縄らあさる風景なちょおん=ほんとうに沖縄らしい風景を作っている。
車、歩っかさがなあ、あまくま目ぐる回いしねえ=自動車を運転しながら、目をキョロキョロすると
うかあさあ、あしが、まるけえてえ=危険ではあるが、たまには、
ゐいきり所びけえのお、あらんようい=観光地にだけでなく、
車淀みてぃ普通ぬ景色眺ゆる肝ぬゆちみん=車を停めて、普通の景色を眺める心のゆとりも
ありわるやるんでぃ思たるしいじやん=あるべきだと思った次第である。

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