2019年09月

西表上原港
 上原港(ゐいばるんなとぅ)お、西表島(いりうむてぃじま)ぬ西方(いりいかた)んかい行(い)ちゅる肝要(かんゆう)な港なとおん。  夏(なち)ぬ間(うゑえだ)あ、写真(しゃしん)ぬ如(ぐとぅ)、いいくる海(うみ)え池(いち)ぬ水心(みじぐくる)。  やしが、冬(ふゆ)お新北(みいにし)ぬ吹(ふ)ちゅる時分(じぶん)からあ、海ぬ荒(し)ぶでぃ、船(ふに)ぬ走(は)らん日(ふぃい、ひい)ぬ多(うふ)くなてぃ来(ち)ゅうんでぃぬ事(くとぅ)。  うんなばあや、東方(あがりばた)ぬ大原港(ううばるんなおぅ)から回(まあ)てぃ行(い)かんでえならん。  地(じい)ん人(ちゅ)お慣(な)りとおしが、観光客にとぅてえ不便(ふびん)やん。やしが、丁度(ちょうどぅ)、いいしゃくどぅやるんでぃち、安(やす)んじらんでえならん筈(はじ)。  上原お18世紀(しいち)中頃(なかぐる)んじ興(うく)さてってぃ、名(な)ぬ聞(ち)かりとおるデンサー節(ぶし)ん、くまんじなたん。  やしが、明治43年(にん)、ヤキイぬ事荒(くとぅさび)なかいや敵(かな)あな、擦消(しりふ)なたん。  今(なま)ぬ上原お、戦後(いくさあとぅ)、別(びち)ぬ人(ちゅ)ん達(ちゃあ)にゆてぃ新(みい)くに興(うく)っさたるむぬやしが、デンサー節え新村(みいむら)ぬ人ん達んかい受(う)ち継(ち)がってぃ、毎年(めえにん)、「デンサー節大会」ん催(むゆう)さっとおん。

【語句】
上原港お、西表島ぬ西方んかい=上原港は西表西部へ
行ちゅる肝要な港なとおん=行く重要な港である
夏ぬ間あ、写真ぬ如、いいくる海え=夏の間は、写真のように
大抵、海は、 池ぬ水心=池の水のよう(に凪ぐ)
やしが、冬お新北ぬ吹ちゅゅる時分からあ=だが、冬季は北風が吹き始める頃からは、
海ぬ荒ぶでぃ、船ぬ走らん日ぬ多く=海は荒れ、船の欠航する日が多く
なてぃ来ゅうんでぃぬ事=なってくるとの事
うんなばあや、東方ぬ大原港から=そういう場合は、東部の大原港から
回てぃ行かんでえならん=回って行かなければならない
地ん人お慣りとおしが、観光客にとぅてえ不便やん=地元人は慣れっこだが、観光客にとっては不便だ。
やしが、丁度、いいしゃくどぅやるんでぃち=だけど、「まあいいか」ぐらいに考え
安んじらんでえならん筈=諦める方がよいだろう。
上原お18世紀中頃んじ興さてってぃ=上原は18世紀中頃に興され
名ぬ聞かりとおるデンサー節ん、くまんじなたん=名高いデンサー節もこの地で発祥した。
やしが、明治43年、ヤキイぬ事荒なかいや=だが、明治43年、マラリア禍には
敵あな、擦消なたん=勝てず、廃村になった
今ぬ上原お、戦後、別ぬ人ん達にゆてぃ=現在の上原は戦後、別の人々によって
新くに興っさたるむぬやしが=新たに再建されたのであるが
デンサー節え新村ぬ人ん達んかい受ち継がってぃ=デンサー節も新村に人々受け継がれ
毎年、「デンサー節大会」ん催さっとおん=毎年、「デンサー節大会」も催されている

 うなり崎から月ガ浜

 西表島(いりうむてぃじま)あ沖縄(うちなあ)んじえ二番目(にばんみい)にまぎさる島(しま)なとおん。
 まあんかい行(ん)じん、島ぬやとぅまぎさあ、同(い)ぬ沖縄んでえ思(うま)らんあたいやん。
 山原(やんばる)とぅんだてん変(か)わゆん。
 山(やま)ぬ連(ちる)がい、川(かあら)ぬやとぅまぎさ又(また)多(うふ)さ。写真(しゃしん)ぬくがたあ宇那利埼(うなりざち)。
 いちゃっさ海(うみ)ぬとぅるどおてぃん、くまびけえんや、年中(にんじゅう)、白波(しらなみ)立(た)てぃてぃちゃあ荒(あ)りいそおん。
 うぬ音(うと)お大(ま)ぎ生(い)ちむしぬ胴唸(どぅうに)いし、大叫(うふあ)びいそおんねえそおん。やくとぅどぅ、「唸り」埼んでぃ言(ゆ)がやあ。
 彼(あ)がたんかいや岩(しい)ぬ崖涯(ふちばんた)ぬ見(み)ゆん。
 白波ぬ筋引(しじふぃ)ち、走(は)とおせえ観光客、乗(ぬ)しとおるボートなとおん。
 観光んうぬあたいし、済(し)むのおあらに。今(なま)やか、しょうじてぃ行じん、却(けえ)てえ、失(うし)なゆる物(むん)ぬ多(うほう)くなてえ行かに。
 西表ぬ大自然や今ぬまま、幾世(いくゆ)何時(いち)迄(までぃ)ん、残(ぬく)ち行(い)ちい欲(ぶ)しゃん。

【語句】
西表島あ沖縄んじえ二番目にまぎさる島なとおん=西表島は沖縄で二番目に大きな島である。
まあんかい行じん、島ぬやとぅまぎさあ=島のどこに行っても島の雄大さは、
同ぬ沖縄んでえ思らんあたいやん=同じ沖縄とは思えないほどだ

山原とぅんだてん変わゆん=山原(本島北部)とも異なる。
山ぬ連がい、川ぬやとぅまぎさ又多さ=山々の連なり、川がやたらと大きいことそして多いこと
写真ぬくがたあ宇那利埼=写真のこちら側は宇那利埼。

いちゃっさ海ぬとぅるどおてぃん、くまびけえんや=どんなに海が凪いでいても、ここだけは、
年中、白波、立てぃてぃちゃあ荒りいそおん=一年中、白波を立てて、荒れ続く

うぬ音お大ぎ生ちむしぬ胴唸いし大叫びいそおんねえそおん=その音は猛獣の唸り声のようである。
やくとぅどぅ、「唸り」埼んでぃ言がやあ=だから、「唸り」埼と言うのだろうか

彼がたんかいや岩ぬ崖涯ぬ見ゆん=向う側には岩の絶壁が見える。
白波ぬ筋引ち、走とおせえ観光客=白波の線を引いて走っているのは観光客を
乗しとおるボートなとおん=乗せたボートだ。

観光んうぬあたいし、済むのおあらに=観光もその程度でよいのではなかろうか
今やか、しょうじてぃ行じん、却てえ=今以上に発展して行っても、却って
失なゆる物ぬ多くなてえ行かに=失うものが多くなるのではないのか

西表ぬ大自然や今ぬまま、幾世何時迄ん=西表の大自然あ今のまま
残ち行ちい欲しゃん=残して行きたい

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