なあかなしいこれを使う

「なあかなしい」や一ちぬ棒(ぼう)んかい提(さ)ぎてえる荷(にい)、二人(たい)し担(かた)みゆる事(くとぅ)ぬちむええどぅやしが、エイサーぬ前舞(めえもう)いさあぬ事んやん。
 チョンダラー踊(をぅどぅ)いぬ一(てぃ)ちんやしが、すがいや昔京太郎(んかしちょんだらあ、チョンダラー)んかい近(ちか)さん。
 所(とぅくる)ぬゆてえ、「酒担(さきかた)みやあ」んでぃん言(ゆ)ん。舞(もう)い様(よう)や、担みてえる酒壺(さきちぶ)、振(ふ)い回(まあ)さがなあ、飛(とぅ)んじゃい跳(は)にたいし、深々(ふかぶかあ)とぅ屈(かが)だいすん。
 荷が実(じゅん)にぬ酒壺やれえ、如何(いか)な昔(んかし)ん人(ちゅ)やてぃん腰痛(くしや)まする筈(はじ)。
 やしが、うんな踊い様や、ヤマトゥんかいん外国(ゆすぐに)んかいん無(ね)えらん風儀(ふうじい)なやあに、でえじなちびらあさんあい、目張(みいは)い事(ぐとぅ)やん。
 くまぬエイサーや屋慶名(やきな)エイサーぬ流り。
 「なあかなしい」や、元々(むとぅむと)お勝連(かっちん)半島びけんぬむのおあらんがやんでぃん思(うむ)ゆん。

【語句】
「なあかなしい」や一ちぬ棒んかい提ぎてえる荷=「なあかなしい」とは一つの棒に提げた荷物を
二人し担みゆる事ぬちむええどぅやしが=二人で担ぐ事の意味であるが
エイサーぬ前舞いさあぬ事んやん=エイサーを始める前に舞する者の意味でもある。
チョンダラー踊いぬ一ちんやしが、すがいや=チョンダラー踊りの一つでもあるが、衣裳格好は、
昔京太郎んかい近さん=京太郎の原形に近い。*京太郎は本土からの旅芸人踊り。
所にゆてえ、「酒担みやあ」んでぃん言ん=地域によっては「酒かたみやあ」ともいう。*あるいは「なあかなしい」と併用。
舞い様や、担みてえる酒壺、振い回さがなあ=踊り方は担いだ酒壺を振り回しながら
飛んじゃい跳にたいし、深々とぅ屈だいすん=飛び跳ねては、膝を折り曲げて屈んだりする。
荷が実にぬ酒壺やれえ、如何な昔ん人やてぃん=荷が本当に酒壺なら、どんな(屈強な)昔人でも
腰痛まする筈=腰を痛めるであろう。
うんな踊い様や、ヤマトゥんかいん外国んかいん=こんな踊り方は本土にも外国にも
無えらん風儀なやあに、でえじなちびらあさんあい=ないような」ものであり、とても見応えがあり
目張い事やん=驚きもする
くまぬエイサーや屋慶名エイサーぬ流り=ここのエイサーは屋慶名系統である。
「なあかなしい」や、元々お=(踊りとしての)「なあかなしい」は元々は、
勝連半島びけんぬむのおあらんがやんでぃん思ゆん=勝連半島独特のものではないかと思う。